旅の空から#5 夏/新潟・松之山温泉編

上越新幹線・とき315号

上越新幹線に乗るのは、一体いつ以来だろう。北陸新幹線と同じ、E7系”とき”。二階建て車両の”Maxとき”が懐かしい。10時15分、東京駅発。1時間と15分ほどで越後湯沢に着く。ここから第三セクターのほくほく線に乗り換えて、新潟県十日町市の松之山温泉を目指す。

ほくほく線

越後湯沢駅で乗り換えるのは、ほくほく線。ホームは初めて見る0番線。なぜ0番なのか、不思議だ。

越後湯沢から47分、まつだい駅へ。ほくほく線といえば、トンネル内で車内天井に映像を投影する”ゆめぞら”列車が有名だが、残念ながら、日曜日しか運行していないとのことだ。山間のトンネルが多いルートを逆手に取ったということだろう。ちょっと見てみたかったが、旅程を変更するほどでもなかった。

日本三大薬湯?

有馬、草津に並ぶ、日本三大薬湯のひとつが、松之山温泉だ。薬湯(やくとう)とは、病気や怪我の治療に効果のある温泉のこと。数ある温泉地の中でも、湯治に適した温泉ということだ。

中でもこの松之山温泉は、温泉成分が基準の15倍という、いわゆる濃い温泉。また、高い塩分濃度の泉質も大きな特徴だという。それは1200万年前の海水だという。何故なら、1000万年以上前の太古、地層が隆起し、地中に閉じ込められた化石海水が、98度の高温に熱せられて湧き出ているというのだ。驚きだ。

元気だが高齢の母と、元気だが病気しがちの妻を連れて、ゆっくり湯に浸かって、美味しいものを食べて、のんびりしよう。2泊3日の小旅行だ。

ひなの宿ちとせ

まつだい駅にお迎えに来てもらった。15分ほどで到着。

ロビーに上がるとすぐに畳敷き。いいですね。以前泊まった土肥の温泉宿も全部畳敷きで最高だったが、ここもとても心地がいい。母のために、露天風呂付きのバリアフリー特別室「山ざくら」を、妻のためには、同じく露天風呂付きの特別室「山つつじ」を予約済だ。部屋も綺麗だし、ここにして良かった。

温泉

テレビの温泉特集で知ったのが、この松之山温泉。宿も同じだ。インタビューに答えた客が、背負って連れて来た母が、帰りは歩いて帰ったというのだ。さすがに盛り過ぎとは思ったが、ここの湯治場としての実力に期待せざるを得なかった。

早速、お部屋の風呂に入ってみる。源泉掛け流し。お湯が熱い。でも、すぐに慣れてくる。硫黄とも違う独特の匂い、とろみのある水質、顔を拭うと、たしかに海水のような味がする。長く入らずに、こまめに入ったり、上がったり。大浴場の露天風呂も良かった。毎日数回、最終日もチェックアウト直前まで、堪能しました。素晴らしい温泉。

星峠の棚田

2日目。快適なので、ずっとホテルに篭っていても良いくらいだが、せっかくなので外に出ることにした。歩いていけるような近くには観光地は無い。そこで、星峠の棚田まで足を伸ばしてみた。魚沼と違って、この松之山あたりは平地がほとんどなく、稲田といえば、どこも棚田だ。棚田自体はまったく珍しくない。その中で、まわりが開けていて、眺望が飛び抜けているのが、星峠の棚田だ。見渡す限り、人工物が目に入らない。これが日本の原風景といって間違いない。初めて来たのに懐かしい。来て良かった。ところで、かつては法師(ほうし)峠と呼ばれていたそうだが、星空の素晴らしさから、星(ほし)峠に改名したのだとか。夜も先人たちが眺めていた星空が今も変わらず広がっているのだろう。

帰路

10時チェックアウト。まつだい駅まで無料で送ってもらえる。ほくほく線で越後湯沢へ。越後湯沢でお土産を買ってから新幹線に。12時11分発売とき318号。短い夏の旅はこれでおしまい。お疲れ様でした。

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