農作業、始まります
4月7日、農園生活が始まります。今年は桜の開花が遅れ、農園からも川沿いに咲く満開の桜が見える。普段なら、その河原でビールをやりながら花見をするのがルーチンだが、今年は違います。
農園はこの4月1日から使用開始のため、初めての週末だが、すでに信じられないスピードでスタートダッシュをしている区画がある。畝も出来て、マルチも張って、苗を植えて、ネットすら掛かっているから驚く。わたしよりも年配のベテランのようだ。とっくにリタイアしているのだろう。一日や二日程度の進み具合ではない。将来、自分もこうなるのだろうか。羨ましい。とにかくご近所だし、何か教わることが出来たら助かるので、挨拶は欠かさないでおく。幸い、人当たりも良く、親切そうな方々で安心した。お隣は同年代くらいの女性、農園生活は同じく初めてだという。これからよろしくお願いします。
土壌酸性化?
野菜づくりの第一歩は土づくりだという。我が家の畑をざっと見たところでは良い土のようにも見えなくもないが、土づくりとは一体何だろう。土づくりの第一段階は、酸性化した土壌を中和させることだそう。
酸性か、アルカリ性か。理科で教わったことなどすっかり忘れている。pH(ペーハー)、つまり、水素イオン濃度が低いと酸性、高いとアルカリ性とのことだが、まだ何のことだかさっぱり分からない。酸性だと酸っぱくて、アルカリ性だと苦い、という説明もあながち間違いではないようだが。良くは分からないが、雨が降ると、雨に含まれる二酸化炭素、水素イオンが土を酸化させる。日本は年中雨が降るので、放っておくと土は酸性化するのだという。そして、酸性の強い土壌では作物の生育不良を起こすという。酸性化すると土の中のアルミニウムが活性化され、作物の根に害を及ぼし、養分を吸収する能力が落ちるのだそうだ。書いていても、実のところは良く分かっていないが、とにかく、土の酸性度を調整する作業に入ろう。pHは1から14までの値で表され、理想的なpH値は5から7、7が中性というから、弱酸性から中性の間。果たして、そんなにちょうど良く出来るものだろうか。逆にアルカリ性ではダメということになるので、何故ダメなのかも気になるが、土が自然にアルカリ性化することは無いようなので、今考えるのは一旦やめておこう。
苦土石灰
酸性化した土を中和させるために、アルカリ性の成分を混ぜる。なんだか化学の実験をしているようだ。アルカリ性の強い物質は石灰、つまり、カルシウムだ。畑に石灰を撒くことは江戸時代後期から行われているようで、先人の化学知識には恐れ入る。
す?石灰には、原料、成分の違いによって、生石灰、消石灰、有機石灰、苦土石灰の4種があるが、それぞれアルカリ性の強さが違うようで、消石灰は強すぎて畑には向かない。苦土石灰はアルカリ性がそこそこ強い、つまり効果が比較的早くでるので畑に向いているそう。それでも効果が出るまでに二週間程度かかるというので、今撒けば、連休にタネまきや苗植えを始められる。調べた限り、とにかく畑には苦土石灰の一択のようだ。クドセッカイ、と読む。初めて聞く言葉だ。苦土=マグネシウムを含む石灰ということらしい。苦い土という名前のとおり、マグネシウムというものもアルカリ性が強いのだ。マグネシウムとカルシウム、とにかく撒いてみることにする。先週のうちにホームセンターに買い出しにいっておいた。ホームセンターにはいきなり10L入りの大きな袋が山積みになっていたが、うちの畑にはたぶん多すぎる。中を探すと、1kg入りのものを見つけた。なんでも、pH値を1.0上げるためには、1平方メートルあたり、100gから200gが適量とのこと。うちの畑は15平方メートルだから、1.5kgから3.0kgになるが、倍も違うので、どうすれば良いのか分からない。しかし、この苦土石灰の袋の裏には、2坪あたり1kgと書いてあったので、うちは4.5坪だから、2袋買ってみたのだ。1平方メートルあたり133gと少なめだが範囲内だ。なんでも、アルカリ性化させるよりも、酸性化させる方が難しいというから、撒き過ぎには要注意だ。このくらいで試してみることにする。顆粒型とある。粉と違って風で舞うことがないので、密集した市民農園には適しているはずだ。
鍬と団粒構造
畑を耕すのには鍬が必要だ。農業体験ファームでは農具の貸し出しがあったが、ここでほ自前で用意する必要がある。ホームセンターには本格的か鍬がいくつも置いてあったが、我が家には大きすぎるので、ネットでステンレス製の小形軽量の鍬を見つけたので買っておいた。本格的な鍬の半分ほどの大きさだ。農業体験ファームの経験では、鍬は、振りかざしたときの重量と長い柄のおかげで土に深く刺すことが出来ることは知っている。しかし、残念ながら、市民農園には農具を預けておける物置が一切なく、さらに駐車場が無い。つまり、毎回、必要な道具を自転車の荷台に載せるか、キャリーケースに入れて転がしていかなければならない。そのために購入したのが、この鍬だ。雑草取りや土慣らしには窓ホーと呼ばれる半月状の鍬が便利だが、これなら鍬と窓ホーのどちらの代用にもなることが期待だ。
掃除、耕す、撒く、耕す
この市民農園は新設されたものではなく、以前から畑として利用されていたもので、3年の契約が終わり、新たに貸し出された。すでに整地されているが、雑草が生え始めていることと、いつからあるのか分からないが、石ころが少し混ざっている。まずはこれらを取り除く。大きな石はすべて拾ったから、次はいよいよ耕す作業だ。ネットで購入したステンレス鍬の実力が試される時が来ました。
良い土の条件は、酸性度のほかに、通気、排水、保水が良いことだという。良く耕し、土を柔らかくする。この土の状態を「団粒構造」というのだそう。本当に初めて聞くことばかりだ。さらさらとした粒の細かい砂状を「単粒構造」といい、「団粒構造」とは土どうしがくっつきあって、固まりになっているが、固まりと固まりの間に隙間がある状態だという。何となく分からなくはないが、鍬で掘り起こしながら、空気を含めていく。土はこのところの雨のせいか湿り気があるが、元々畑だった土のため、思ったより柔らかいので安心した。団粒構造になっているように思うが、どうだろうか。鍬の刃の長さ、15cmまで一通り掘りかえしてみたが、問題なく完了した。しかし、もう一汗以上かいた。農作業は全身を使う。少し休憩したあと、いよいよ苦土石灰を撒く。
撒く前にpH値を測定すべきだが、酸度計を持っていない。今回は仕方ない。いずれ購入しよう。2kgでは巻き過ぎにはならないはずだ。奥から少しづつ、表面に撒いてから、鍬を使って土に混ぜ込む。2kgはすぐに撒き終わった。さて、今日のところはこれでおしまいだ。石灰を撒いてから、最低一週間は放っておく必要がある。
先ほどのとおり、雨の影響で放っておくと土は酸性化するため、年に一度はこの作業が必要だそうだ。
残る良い土の条件は、肥料を適当に含んでいることだという。次は、土づくりの第二段階、肥料を撒く。
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